◆大学とは名ばかりだった

「教団幹部から“大学”だと聞かされ興味を持ち、それまで通っていた一般の大学を中退しました。その“大学”は、認可されたものではありません。幹部女性はこう話していました。日本にはこうした知識や技術を指導している大学はなく、先鋭的だから文科省も理解してくれない、と。それを聞き、先鋭的な学びを得るために私たちが戦う! という気分が高まってしまったんですよね」

カルト体験談202302-1b
確かにそのビジネススクール(※現在は廃業しているので存在しない)の授業は、一般的な大学で学べるものとは違う。「人を動かすには」「心に響く話術」「成功のヒケツ」等々。Kさんの説明するその“大学”が教えるその内容は、自己啓発もしくは情報商材の類に聞こえる。金額は、年間だいたい300万円。私立の経済学部や、専門学校の授業料と比べると、だいぶお高い。

「経営哲学と言い換えるものの、叩き込まれるのは教団の教えです。教団独自の用語ですが、多少強引に言い換えると仏教でいうところの『涅槃(ねはん)』。その域を目指し、世界をよりよく導くのが人生の目的。そうした教えを学び、理解し、実践できない人たちは一生救われないままだと」