それに気づいたときから、ステージの上でやるもののなかでも音楽がもっとも好きになったという。そう語ったあとで、「音楽ばっかりやってたら、芝居やりたいなってなるし。お芝居やってたら、バラエティやりたいなってなるし」と補足したりもするわけだけれど。

 なるほど、ほかのエンターテインメントに比べ、音楽は相対的に表現者のメッセージがストレートに届くもののひとつかもしれない。もちろん音楽も間にいろいろ人が挟まることがあるだろうけれど、特にステージでの歌手と観客の関係は夾雑物が比較的少ないようにも思う。そんなステージから届く歌手の言葉、楽器の音に胸を打たれることも多い。最近見たテレビ番組だと、1月14日に放送された『レギュラー番組への道 おかえり音楽室』(NHK総合)でのAwichのパフォーマンスが圧巻だった。

 で、このあたりは好みの問題にもなってくるのだろうけれど、そういった相対的にストレートなパフォーマンスに魅力を感じる一方で、ストレートではないものにもまた私は惹かれてしまう。それこそ、ダイアン・津田の探偵ドッキリである。周囲からのさまざまなジャッジが交錯するなかで、解を探っていく謎解き。その面白さ。多方向からの意図が乱反射するなかで輝くその人の色もまた魅力的だ。

 探偵役を務める腹をくくると標準語になっちゃう津田。決定的なヒントを見つけると声が大きくなっちゃう津田。犯人がわかるとドキドキしちゃう津田。あのチャームとおかしみの同居はなんだろう。謎だ。