ワインスタイン告発だけではない、性加害者を守る社会のシステムに挑む人々のチーム戦

『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』この物語は、映画業界の性暴力告発劇だけには留まらないの画像3

 FOXニュースの会長ロジャー・エイルズ、司会者のビル・オライリーの性暴力告発を描いた『スキャンダル』(19)や、リミテッドドラマ『ザ・ラウデスト・ボイス-アメリカを分断した男-』(19)という作品があったが、今作は時系列的にはその直後となる物語であり、冒頭でもビル・オライリーのニュース映像が映し出されている。

 それに加えて16~17年という年は、ドナルド・トランプの度重なるセクハラ疑惑と発言の数々もあって、そういった性加害問題に対して敏感になっていた時期でもあり、勇気を出して声をあげた女性たちもいた。

 ところが、そんな疑惑だらけのトランプが大統領に当選してしまい、声をあげた女性は二次被害にあってしまう始末。そのことからも、表面上では「セクハラはいけない」とか「女性の人権を~」とか言いつつも、結局は権力を持つ者こそがこの世界を制すという証明にもなってしまったのだ。