17年当時、ワインスタイン事件の真実を追い求めようとした2人の女性記者の姿を詳細に描写した本作。『それでも夜は明ける』(14)や『スイング・ステート』(21)など、アメリカの暗部を描いた作品を扱うことでもお馴染みのブラッド・ピットが製作総指揮を務めたことでも話題となり、ゴールデングローブ賞をはじめとする数々の映画賞でも注目されている作品だ。

 主演のキャリー・マリガンやゾーイ・カザンの演技も素晴らしいが、パトリシア・クラークソン、そしてなにより“本人役”で出演した、ある女優の勇気を称える作品ともいえるだろう。

【ストーリー】
ジョディとミーガンは共にアメリカ大手新聞社の一つ、ニューヨーク・タイムズ紙の調査報道記者。大統領選挙から職場環境まで数多くの問題を調査報道し実績を残してきた。そんな中、ハリウッドから大物映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインの数十年に及ぶ権力を行使した性的暴行の噂を聞きジョディは調査へと乗り出す。ジョディは産休中で産後うつ気味のミーガンと共に、様々な嫌がらせや生命を脅かされる目にあいながらも懸命に調査を続けるが――。果たして、自身の未来と引き換えに秘密保持契約と多額の示談金で口を封じられた女性たちを説得し記事で告発することはできるのか……。