夫にしてみれば、関係が悪化したまま破綻するなら、まだ諦めもつく。しかし往々にして世の夫たちは、その後の妻の態度に翻弄されることになる。

『イニシェリン島の精霊』のあるシーン。パードリックは公衆の面前で、警官から理不尽に殴り倒される。あまりに惨めなパードリック。すると、それを見ていたコルムが無言でパードリックを起き上がらせ、馬車に乗せて帰途に同行してくれる。

 当然ながらパードリックは思う。「あれ? 許してくれたのかな? 仲直りできたのかな?」しかし、そんなことはない。相変わらずコルムは冷たい。説明もしてくれない。パードリックは戸惑う。心の声は「どっちやねん!」だ。

 これも、離婚が決まった夫婦あるあるだ。以下はBさんのケース。