直木は、里親だった広田勝(春風亭昇太)から「莉桜を探してもらえないかな」と頼まれていた。突然姿を消した莉桜の荷物はそのまま勝の家にあり、探し出して本人に返してほしいというのだ。直木に何が起こったのか、一つでも多くの手がかりがほしい悠依は、その番号に連絡してみるという。そんな悠依を、直木は心配することしかできない。自分の無力さを感じる中、直木は同じく成仏できず現世をさまよっている樋口(板倉俊之)と出会う。しかし自分の死を認めることに怖気づき、逃げるように立ち去ってしまう。

 気丈に振る舞っていた悠依も、直木の死を認められない気持ちは一緒だった。直木と特徴が似た遺体が発見されたと連絡があった悠依は確認に警察署を訪れ、別人であることが判明したものの、極度の緊張により過呼吸を起こしてしまう。直木の死を頭では理解できても、悠依の体が拒絶していたのだった。「感じられるなら大丈夫なんてウソ」「体がないって、つらい。そこにいるなら触ってよ。触らせてよ」と涙する悠依。拭おうと直木は手を差し出すが、すり抜けてしまう。お互いを感じられない苦しみを改めて実感した二人は、気持ちを整理するためにも事実を明らかにすることを改めて誓い合う。

 自分が高原涼香殺害事件の重要参考人であることを知った直木は、涼香のマンションを訪ねた理由を魚住に打ち明ける。涼香は莉桜の中学校の同級生で、唯一莉桜の連絡先を知っていた人物だったのだ。しかし、さらに不可解な事情が明らかに。莉桜が勝宅に残していた荷物の中には、現金500万円が入っていた。勝も何の金なのかわからないという。直木は莉桜の行方を探す際、あくまで「私物を返したい」として涼香には500万円については伏せていたが、買い物依存症で自己破産していた涼香は殺害される1カ月前に現金で300万円近く使っており、その金の入手ルートは不明だった。金に執着のある涼香がもし莉桜から500万円のことを聞いていたとしたら、金をめぐって二人がもめたという可能性もある。