ほかにも、Kamuiが『YC2.5』で、yanagamiyukiが一連の作品で試みているボーカロイドを駆使したアプローチは、自身の肉体を女性の声とともにフィクション世界へと漂流させる点で、前述のYoyou「tutumu」とも共振するニュアンスを放っている。

 そして、Minchanbaby。多くの女性アーティストとのコラボレーションを実現してきた彼が、2022年にY2Kへの批評眼を輝かせたポップパンク・アルバム『FALL OUT GIRL』をドロップした意義は大きい。

 重盛さと美「FRIEND」やCharlu「黙LELE」などY2Kのフィールをトラックに込めた佳曲が多かった2022年だが、それらに対するMinchanbabyからの渾身の回答と捉えるべきであろう。