対して、アイドルラップの最前線を張ってきたlyrical schoolは旧体制での集大成となる傑作『L.S.』を発表、アイドルラップ史に残る野音公演を最後にひとつの区切りをつけた。“ヒップホップの背中を追いかけラップする”というスタンスは、XGのトップダウン方式とは異なるボトムアップ方式である。これら突き抜けた両スタイルのグループによって、今アイドルのラップ/歌唱は過去に見ないほどの多彩さを誇っている。

 その並びには、才気あふれる作家陣とクオリティ高い作品を作り上げたFAKY『F』やRYUTist『(エン)』なども位置づけられるだろう。苺りなはむが「存分」や「楽煙」といった曲で存在感を見せ、野外フェス〈心拍数15Q〉を開催したことも大きなトピックだ。