青臭くて、ひとりよがりで、あまちゃんで、心の奥にはケロイド状の傷が残ったままなので、振り返るのがかなりつらい……。社会人になりたての頃は、誰しも仕事や恋愛につまずき、のたうち回りたくなるような体験をしたのではないだろうか。青春と呼ぶには気恥ずかしい、そんな日々を生々しく描き出したのが、山口健人監督のオリジナル映画『生きててごめんなさい』(通称 #イキゴメ)だ。物語の主人公にはなれそうにない本作の恋人たちを観て、「これは自分の物語だ」と感じる人も多いに違いない。
本作を企画・プロデュースしたのは、『新聞記者』(19)や『余命10年』(22)など新感覚のヒット作を次々と生み出している映画監督の藤井道人氏。山口監督は、藤井監督作『悪魔』(18)の脚本・編集を担当し、綾野剛主演の連続ドラマ『アバランチ』(カンテレ制作、フジテレビ系)では藤井監督と共に演出を手掛けた。山口監督にとって、『生きててごめんなさい』は念願の長編映画デビュー作となる。