ロバート・秋山のこの手のやつは表向き、アドリブを交えたキャラクターコントのようである。だが、一種のチャレンジを見ているような気分にもなる。キャラクターの設定をいくつかだけ決めておいて、あとは走り出す、それでどこまで成立させられるか。そんなチャレンジだ。「緊張の緩和」といった見立てで言えば、これちゃんと成立するの? という緊張が見事なアドリブで緩和していくところに、面白さが生まれている面があるように思う。
にしても、秋山のこの手のやつは、なんと呼べばいいのだろう。キャラクターコントの面はあるが即興の要素が強いように見える。モノマネや憑依芸と言うには、マネや憑依の対象がいなかったりする。やはり「この手のやつ」としか言いようがない。ひとまずそんな呼び方で飲み込んでおいてほしい。
ロバート・秋山はいろんな職業に扮するけれど、実際は芸人以外に俳優を少しやっているぐらいだ。一方、芸人でありながら脚本家としても活躍しているのがバカリズムである。そんな彼が脚本を務めたドラマ『ブラッシュアップライフ』(日本テレビ系)が現在放送されている。
主人公は地元の市役所で働く33歳の近藤麻美(安藤サクラ)。昼間は職場の同僚と食事をしながら上司の愚痴を言い合い、仕事帰りには同級生の門倉夏希(夏帆)や米川美穂(木南晴夏)と食事に行ったりする、そんな何気ない日常から成る彼女の人生は、ある日、唐突な事故で終わりを迎えてしまう。目を開けた麻美がいたのは死後の世界のような真っ白な空間。そこで彼女は死後案内所の受付係(バカリズム)に言われる。あなたの来世はグアテマラ南東部のオオアリクイです。だが、麻美は新たな生に難色を示す。そんな彼女に受付係は別のコースを紹介する。