さて、そんな先週の秋山について、「雰囲気ことわざ」や「グランデ歌手」とはなんなのか、なぜ信長とCDの音飛びなのか、みたいなことを聞かれても困る。そういうものなのだ、と飲み込んでもらわないと。というか、そんなよくわからない設定までふくめて見る者に飲み込ませるところが秋山の真骨頂のようにも思う。
たとえば、グランデ歌手として出演した『ラヴィット!』。モジャモジャの髪の毛にキャップを被り、半袖のポロシャツにミラーレンズのサングラスといったゴルフにでも行くような出で立ちの彼は、「OK! グッモーニン、グッモーニン」とやたら良い声を張り上げながら登場した。どこの国の人かはわからないが、日本語は少しだけわかるらしい。そして「カンケーシャOK、カンケーシャOK」などと連呼。どうやら彼は、コンサートの一般席ではなく関係者席に座っているような人たちと懇意になりたい人のようだ。
「アイ・ドント・ライク・ファン! アイ・ライク・カンケーシャ、OK!」
「カンケーシャ」を連呼する彼に、川島明(麒麟)らが「そういうこと言わないほうがいいですよ」と乗っかりながらツッコむ。出演者が徐々にキャラクターを理解していく。秋山も周囲の理解をうかがいながら、キャラクターをその場で練成しているように見える。秋山を中心に繰り広げられるそんな共同作業に巻き込まれる形で、視聴者も設定を飲み込んでいく。