ところで、認知症ものが全盛である。私は、自分に認知症のケがあるから、こうしたものはほとんど読んでいるが、これはというものは少ない。

 だが、そうはいっても、知りたい方もいるだろうから、今週の新潮から紹介しよう。

 2017年に、権威ある『ランセット』に発表され、2020年に改訂された論文には、認知症の発症リスク12の因子というのがあるという。

 難聴、喫煙、高血圧、糖尿病、運動不足、過剰飲酒などだが、この危険な因子を排除すれば、認知症の発症リスクを40%も低減できるというのだ。

 それには、運動、知的活動、コミュニケーションが必要だという。

 ここまでは誰でも、そうだろうなと思うだろう。

 興味深いのは、五感の中で真っ先に衰えるのは「嗅覚」だそうだ。したがって、嗅覚を保つことが認知症予防の第一歩で、嗅覚トレーニングを行えというのである。

 例えば、花の香りを嗅ぎ分ける。バラの花か梅の花か。中でもレモンの香りが認知機能回復に効果があるそうだ。

 コロナに感染すると、嗅覚がやられ、匂いがわからなくなるといわれる。

 そうなると、高齢者の場合、認知症になる危険が増すということか。

 よし、さっそくレモンを買ってきて匂いを嗅いで、食べよう。

 とまあ、こうした特集を読むと、すぐに実践に移したくなる。その効果のほどは? わかりません。