また、「一言に3時間かけて収録する時もあったり、2行のセリフを丸1日かけて」収録することもあり、アフレコには2年ほどの歳月がかかったと告白。「井上監督が僕の横にずっといて収録している感じ」「一緒に、先生(井上監督)がイメージする桜木花道に近づいていくような作業」だったという。

 こうした木村の発言からも、かなりこだわって製作されたことがうかがえる『THE FIRST SLAM DUNK』だが、通常、アニメ映画はアフレコにどれほどの時間を要するのだろうか。

「アニメ映画の場合、 だいたい2日間で録り終え、予備としてもう1日スケジュールが確保されます。コロナ禍の今は感染予防の観点から、キャスト全員を一度に集めることが難しいため、6日ほどかけて別々に収録するのではないでしょうか。出演者は、レギュラー仕事のない日に終日拘束されます。ギャラは声優のランクや映画の放映時間によって異なりますが、 だいたい1本20万前後です」(声優業界関係者)

 つまり『THE FIRST SLAM DUNK』は、異例ともいえるスケジュールで製作されたわけだが、それゆえに「コスパが悪いと言わざるを得ない」(同)そうだ。