演出も、『ケイゾク』『池袋ウエストゲートパーク』『TRICK』(TBS系)などの堤幸彦監督ですが、三石琴乃の占い師が出てくる場面などは“らしさ”が感じられるものの、全体的に話とかみ合ってない感じがしますね。最先端の医療技術を誇る闇医者チームは、AIがサポートする近未来的な手術室をもっており、AIへの指示が英語という設定に則ってなのか、手術が決まるとエースが『Get Ready!』と口にするという決め台詞があるのですが、これがまた『寒い』と不評です。ストーリー、演出、ビジュアルともにB級感が強いことが『日曜劇場っぽくない』と受け止められる要因でしょう。カンテレ制作・フジテレビ系放送の草彅剛主演『罠の戦争』のほうが日曜劇場っぽいなんて声もありますよ」(ドラマ・映画ライター)

 そうした不評は、ネットの反応からもうかがえる。自局の『王様のブランチ』が毎週発表している「TBSつぶやかれた番組ランキング」では、1月9日~15日週で早々にトップ10圏外(10位は2229ツイート)に。見逃し配信TVerのランキングでは、同じく日曜に放送される日本テレビの『ブラッシュアップライフ』が常に『Get Ready!』の上をいくようになったとも指摘されている。

「今や日曜ドラマの話題の中心は、従来のNHK大河ドラマらしからぬ作風で賛否を呼んでいる松本潤主演の『どうする家康』か、“バカリズム脚本の最高傑作”との呼び声も上がっている安藤サクラ主演の『ブラッシュアップライフ』です。特に『ブラッシュアップライフ』はバカリズムらしい会話劇と伏線回収の脚本が絶賛されており、勢いを感じます。人生をやり直すという、このところ定番化しつつある“タイムリープもの”と言えますが、たまごっち、タイルシール、プロフィール帳、ゲームボーイアドバンスなど平成の流行が描かれるため、“世代”の視聴者が反応し、関連ワードが続々トレンド入りする現象も起こっていますから、『Get Ready!』があまり話題になっていないのとは実に対照的ですね」(前出・テレビ誌記者)