映画監督の浜野佐知さんの著書『女になれない職業』(ころから刊)が話題になっている。
浜野さんといえば、300本を越えるピンク映画を撮った女性監督の草分けであり、一般映画も6本撮っている大御所にして現役バリバリの監督である。現在74歳の彼女が、この本を書いた理由とは――。
「自分が作った映画の記録、記憶でもあるんだけど、真の理由は、これから世の中に出ていく若い女性たち、そして映画を目指す女性たちに向けて『自尊心だけは守ってほしい』ということを伝えたかった。今はまだまだ、あらゆる業界が男社会だと思う。そこで仕事をしていくと、いろいろなことがありますよ。でも自分を守る力、自分を守る心だけは失わないでほしい。そんな願いをこめて、コロナ禍にせっせと書いたんです」