◆三浦監督も逃げ癖がある
――藤ヶ谷さんは監督を真似るところから始めたとのことですが、当然、こうして立派にお仕事されている監督と菅原は違うかと。物語の立ち上がりはどこから?
三浦監督「言ってしまうと、僕も逃げ癖があるんです(笑)。意気地がないので、途中で謝ったりとかして、取り返しのつかないところまではいかないんですけど、でもこうやってすべてから逃げていったら、世界の中で自分がひとりになっちゃったみたいな感覚を味わうのかなって。僕はまだ味わったことがありませんが、もともと自分の中にある想像を発展させていった感じです。物語で途中から北海道の苫小牧に行きますが、そこは僕の生まれ故郷ですし。実体験ではありませんけど、自分を投影して書いた部分は、今回は特に強いかなと思います」