そんな機運のなかで公開される映画『エンドロールのつづき』は、インドの田舎に住む、決して裕福ではない少年が映画に魅了されていく様子と、映画監督を目指す過程を描いたストーリー。監督のパン・ナリン氏が経験した実話がベースになっている。
インドの映画業界は他国と比べてかなり特殊で、監督業も俳優業も、コネクションーーいわゆる「華麗なる一族」的な“後ろ盾”ーーがなければ、なかなか踏み込めない領域にある。
そんな状況下で、幼少期から身一つで映画界を志し、今や世界で活躍するパン・ナリン監督の物語は、多くのインド人クリエイターたちの希望につながる“羅針盤”としても機能するだろう。だからこそ、本作がアカデミー賞のインド代表に選出されたとも言えそうだ。
生粋の映画マニアでもあるパン・ナリン監督に、本作の制作秘話やインドの映画業界の現在について、インタビューを行った。