Awichが国内で確固たるポジションを築き、MFSが「Bow」で各国バイラルチャートで1位を奪取し、水曜日のカンパネラ「エジソン」とfemme fatale「だいしきゅーだいしゅき」がTikTokを席巻し、XGがSNSを制した――ヒットの観点でラップミュージック周辺を語るならば、2022年とはつまりそのような1年だったと言える。
本連載は、1年前に刊行した『わたしはラップをやることに決めた フィメールラッパー批評原論』(DU BOOKS)の「その後」として、“女性とラップ”を切り口に、国内のラップとポップミュージックの相互作用によって生み出される新たなリズムの最前線を切り取る時評という形で開始した。