上司から執拗に怒られたり、無視されたりして悩む女性は少なくありません。上司による職場いじめは立派な「モラルハラスメント」であり、早急に対処すべき重大な問題です。この記事ではモラハラ上司にスポットを当て、特徴や対対処法を紹介します。
「モラハラ」とはそもそも何?
「モラハラ」とはモラルハラスメントの略称で、簡単に言うと「上司や同僚から行われる職場いじめや嫌がらせ」のことを意味します。
要するに「大人のいじめ」であり、学生間のいじめでよくある暴力行為や金銭の要求行為に発展することはほとんどありません。
嫌味や無視、理不尽な扱いなど、わかりにくく陰湿な行為がモラハラの大部分を占めており、加害者は小さないじめを継続することで、被害者に大きな精神的苦痛を与えます。
最悪のケースでは、モラハラが原因で何らかの精神疾患になり、退職せざるを得ないという場合もあります。
上司からのモラハラは被害者が「自分が悪いのかもしれない」「上司だから我慢しなくては」と考え、耐えてしまう傾向にありますが、モラハラはどんな職場でも絶対に許されるものではありません。
指導とモラハラの違い
モラハラは同僚間や部下から上司に行われることもありますが、上司が部下に「指導」と称してモラハラをするケースが多くなっています。
しかし、「指導」と「モラハラ」は全くの別物です。
そもそも指導とは、部下に間違いがあれば指摘し成長に導く行為です。
対するモラハラは、ただ部下に精神的苦痛を与え委縮させる行為です。
中には「モラハラ行為によって部下の怒りを増幅させ成長を促す!」なんてことを平気で言う上司もいますが、モラハラ行為が部下に成長をもたらすことはありません。
モラハラ上司は「部下を指導している」と捉えていても、実際はただ部下を傷つけているだけの場合もあるのです。
悪質なモラハラは罪に問われる場合がある
モラハラ行為は、法律で明確に禁止だと定められているわけではありません。
しかし、モラハラ行為の内容によっては、侮辱罪や名誉棄損罪に該当し罪に問われるケースがあります。
また、会社には「職場環境配慮義務」という義務が課せられていて、従業員が働きやすいよう配慮しなくてはいけません。
そのため、モラハラを放置する職場はしかるべき義務を怠ったと見なされ、責任を問われるケースもあります。
モラハラ上司に共通する5つの特徴と具体例
自分の上司がモラハラ上司なのか、確証を持てずに悩んでしまうことがありますよね。
ここでは、モラハラ上司の具体的な特徴を解説するので、ぜひあなたの上司の行動と照らし合わせてみてください。
1.見せしめのように人前で怒る
まるで見せしめのように、ほかの社員が大勢いる場所で大々的に怒る上司は、モラハラ上司である可能性が高いです。
たとえ怒られた原因があなたのミスであったとしても、ミスをした原因を部下に認識させ、解決に導いてあげるのが上司の務めです。
人前かつ大声で怒る必要はどこにもありません。
人がたくさんいる場所で怒られると、人は羞恥心が刺激されます。
そうすると「恥ずかしいから早く終わってほしい」と考え、本来は主張すべきことも言えなくなってしまうのです。
また「周囲からダメな人だと思われただろう」と自信をなくし、トラウマになってしまう人も少なくありません。
2.暴言や侮辱をする
「こんな簡単な仕事もできないなんて人間じゃない!」「死ね!」など、暴言や侮辱によって部下を傷つける上司は確実にモラハラ上司です。
上司は冗談のつもりかもしれませんが、暴言や侮辱を受けた人間はいつまでも心に深い傷を負います。
また、中には椅子を蹴ったり物を投げつけたりと「小さな暴力行為」に走るモラハラ上司も。
モラハラは「体には攻撃しない」ケースが一般的ですが、暴力的な一面をちらつかせて部下を委縮させるモラハラ上司もいるのです。
3.職場内で孤立させる
- 一人だけランチに誘わない
- 陰口や悪口を言いふらす
- 挨拶を無視する
など、職場であなたを孤立させるような行動を故意的に取る上司は、高確率でモラハラ上司といえるでしょう。
意図的に仲間外れにされれば、誰だってショックを受けますよね。
また、孤立歴が長くなるほど、人は「自分は社内に必要のない存在なんだ」と孤独感を強め、精神的苦痛も大きくなります。
話しかけても無視されるため仕事も思うように進まず、モラハラ被害者はますます自分の居場所を見失ってしまうでしょう。
4.仕事の邪魔をする
到底こなせない量の仕事を押し付ける行為や、反対に一切の仕事を取り上げる行為、または業務に必要な連絡を断つ行為など、仕事の邪魔をする上司もモラハラ上司です。
モラハラ上司はあえて部下の仕事を邪魔して失敗を誘い、実際に失敗すればそれをネタに部下を怒鳴るという悪質な行為に出ることがあります。
部下自身も自分の仕事をうまくこなせないことでストレスがたまり、次第に自信を失っていくでしょう。
仕事の質が低下するため社内評価や昇給にも悪影響を及ぼす可能性があり、モラハラ被害者が追い詰められやすい事例の1つと言えるでしょう。
仕事量の不公平が与える影響と、改善するためのポイントについては、こちらの記事で解説しています。
5.プライベートや家族を否定する
プライベートの過ごし方や趣味を詮索してなじったり、家族や恋人、友人関係を否定したりする上司もモラハラ上司と断言できます。
このタイプの上司は「プライベートに関する雑談を部下としているだけ」と思っている場合もあり、自分がモラハラをしていると気づいていない場合も多いことが特徴。
また、会社に相談しても「ただ雑談してるだけだろう?」と扱われ、まともに取り合ってもらえないことがあります。
しかし、自分のパーソナルな部分だからこそ否定された側のストレスは大きく、モラハラ被害者の精心的苦痛は計り知れないほど大きいのです。