──歴史エッセイスト・堀江宏樹が国民的番組・NHK「大河ドラマ」(など)に登場した人や事件をテーマに、ドラマと史実の交差点を探るべく自由勝手に考察していく!

※劇中では主人公の名前はまだ「松平元康」ですが、本稿では「徳川家康」に統一しております。家康に限らず、本連載において、ドラマの登場人物の呼び方は、原則として読者にとってなじみの強い名称に統一します

 『どうする家康』初回の放送をどうご覧になりましたか? 通常の大河ドラマであれば、母・於大の方と家康少年の涙の別れを描くあたりで第1回は終了だったのでしょうが、『どうする家康』では本当に「桶狭間の戦い」がメインイベントとして描かれ、昨今の大河では避けられがちだった血なまぐさい戦闘シーンにもたっぷり時間を割いていましたし、今川義元(野村萬斎さん)の戦死が伝令から告げられ、家康と家臣たちが混乱するというところまで話が進んでしまいました。歴史事実の大胆な読み替えや省略があり、回想シーンで情報を補足する構成になるであろうというのは想像どおりでしたが、野村萬斎さんほどの豪華キャストが初回で「ナレ死」してしまったのは驚きでしたね。