血のつながりのある人間はみな亡くなり、ひとりぼっちの彼女をめぐって親戚同士が押し付け合うのを目の当たりにしており、世界には目に見えない魔法の輪があってみんなは内側、自分が外側にいるから誰とも仲良くできないと思い込んでいる。家にも外にも居場所がない、生き辛くてたまらない女の子だ。ジブリヒロインでここまで生きづらい子がいただろうか?
杏奈は夏休みの間だけ喘息の治療のため、頼子おばちゃんの親戚夫妻のところで暮らすことになるが、それすらも「厄介払いされた」と思っているので常に浮かない表情。
杏奈は湿原に建つ「湿っ地屋敷」と呼ばれる廃墟じみた屋敷で金髪碧眼のマーニーと名乗る少女と出会う。マーニーはメイドや世話係の婆やに囲まれて暮らす裕福そうな家のお嬢様だが、たびたび屋敷を脱け出して冒険する癖があり、「屋敷には居場所がない」というマーニーをまるで自分のようだと感じた杏奈は仲良くなる。
マーニーは突然姿を消し、ある日湿っ地屋敷には東京から来たという一家が引っ越しをしていた。なぜ? マーニーが住んでいるのに?