日本テレビ系『金曜ロードショー』、”新年のスタートはジブリから”ということで2週連続スタジオジブリの最終章は、2014年に公開された『思い出のマーニー』。

 前年度には宮崎駿の『風立ちぬ』、高畑勲の『かぐや姫の物語』と巨匠二人の作品を立て続けに公開したジブリが、翌年に送り出したのは宮崎も高畑も制作に関わっていない、ジブリの次代を担う存在として抜擢された米林宏昌監督作品。2010年に『借りぐらしのアリエッティ』で監督に起用されており、ジブリでは二度目の監督作だが、巨匠二人の大作の後で、しかもジブリ長編20作目の監督として起用された人材だ。

 北海道に暮らす12歳の少女、杏奈は人づきあいが苦手な上、持病の喘息があり、友達はいなかった。両親は小さいころに亡くなっており、祖母もすでに他界し、血のつながっていない頼子が里親として杏奈を育てているが。ある事情から彼女と距離を置き、「おばちゃん」と呼んでいる。