◆佐輔には身近なところで認めてくれる存在がいる
――今回も佐輔はいろいろと巻き込んだり、巻き込まれたりですね。
佐々木「佐輔には、誰からも求められていなくても陶器を作りたい思いがあると思うんです。それって何なんだろうと考えるんですが、彼には『これいいと思ったから、私買ったのよ』と言ってくれる妻がいて、『誰がなんと言ってもお前には腕がある』と言ってくれる則夫がいる。すごく身近なところで認めてくれる存在がいるんですよね。もちろん自分が作りたいんだけど、そうやって身近なところで認めてくれる人がいるから継続できているのだろうと感じました」
――本作は“夢”がテーマでもあります。
佐々木「佐輔を見ても、夢を叶える力というのは近くにあるものなんですよね。多くの人に認めてもらえたらそれは嬉しいけど、そうでなくても幸せで豊かな時間を過ごせるし、誰かが認めてくれれば、自分の情熱が支えられて夢に向かっていくエンジンになる。やっぱり自分の力だけではないんだなと。あとは、仲間の存在も大きい。今回もチームでやっている。映画作りも同じですね。みんなで作り上げているんだなと感じます」