「決勝戦やぞ」とのヤジが飛ぶなか、平子、三島はバトル中でありながら真顔でヒソヒソ話。「未公開シーン」ではそのヒソヒソ話の真実が明かされた。お互いに手詰まりであること、そして2022年の『新春SP』の「キス対決」で伊藤俊介(オズワルド)が披露した「濃厚なキスをしたあとで『チェンジで』というネタ」以外、浮かばないことなどが話し合われていたのだ。

 決勝戦では、敗者席から「いつもの平子さんで良い」「自信、自信!」などエールが飛んだ。「全員で番組を作りあげよう」という一体感に包まれた。審査員の今田耕司が「最後は(高校野球の)甲子園を見ているよう」と評した雰囲気があったからこそ、死闘を終えた平子が「三島という親友ができました」と言えば、三島も「ほんま親友っす」と称え合う名シーンが生まれたのだ。『新春SP』ではそこまでしか映し出されていなかったが、「未公開シーン」ではその内幕が知れ、「お笑い番組」「ネタ勝負」の核みたいな部分が感じられた。みんなで番組を盛り上げる、という考え方はきっと『M-1』など賞レースでも変わらないものではないか。

「未公開シーン」の放送回は、平子のこの言葉で締めくくられた。「お笑いっておもしろい!」。その一言は「平子り」でもなんでもなく、純粋にお笑い好きの視聴者の心を揺り動かすものだった。