2022年1月2日放送『新春SP』でも平子は、同回審査員の松本人志(ダウンタウン)に対してメンチを切りながら喧嘩を売る一言を吐きつける「メンチ対決」で、粗品(霜降り明星)とベストバウトを披露していた。

 他番組では、「平子り」は吹かすという芸風にとどまる。でも、こと『座王』においてはその「平子り」が単なる「平子り」では終わらない。そのキャラクターが、『座王』のネタ勝負のなかでは存分に生きるのだ。平子は、お笑いシーンではすでに自分のポジションを確立し、「平子り」というある意味、安定した芸風でウケが狙える。ただ『座王』は、そういった「芸風」ではなく、バチバチの「ネタ勝負」でやり合う平子が見ることができる。現在では稀有な番組の一つなのである。

 2023年1月6日放送回『座王』では、『新春SP』の未公開シーンが特集された。特に興味深かったのは、平子と三島達矢(すゑひろがりず)が「キス対決」で激突した決勝戦の裏側である。

『新春SP』での三島は、「土下座対決」で好きな女の子のブルマを食べたことを告白するなど「変態侍」として勝ち上がっていった。愛を語るモテキャラの平子とは水と油。対照的なふたりによる決勝戦は、両者のそれまでの快進撃が嘘みたいな泥試合となった。