信州大学の研究チームは12月7日、頭痛薬の主成分であるアスピリンを原料にリサイクルが容易なプラスチックを合成することに成功したと発表した。脱炭素やプラスチックごみ問題の解決に向け、実用化が期待できる技術だ。
炭素-炭素二重結合の反応を利用して合成されるビニル系プラスチックは、無数の炭素原子が連結した主骨格を持っている。ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、発泡スチロールはビニル系プラスチッ クの代表格で、安価に大量生産できるため、プラスチック総生産量の7 割を占めている。
これらビニル系プラスチックは炭素-炭素結合の切断方法が限られ、安定で分解しにくいため、環境分解できないことや原料物質を再生する上で課題になっていた。