しかし、貿易黒字への復帰には懸念材料がある。11月速報で輸出金額は21カ月連続で増加となったものの、輸出数量は2カ月連続で減少となった。21年1月からの輸出貿易指数(2015年=100)を見ると、価格指数は緩やかに上昇を続けており、価格上昇に伴って輸出金額は増加を続けているものの、輸出数量指数は21年12月の142.3を直近のピークに22年1月には87.3と大幅に下落し、その後も上昇できずに底這った状況が続いている。(表4)
従って、為替円安やエネルギー価格の上昇に歯止めがかかっていても、貿易黒字への復帰には輸出数量が回復していくことが必要となろう。だが、ここのところ米国を中心に景気減速懸念が強まっており、23年に日本が貿易黒字に復帰するのは厳しい状況になりそうだ。