もっとも、希望はある。TVer社は昨年、2022年3月時点の売り上げが前年比およそ20倍まで増加したと発表。2022年通期の決算は売上高で前期184.6%増で、大幅な増収・黒字転換に成功している。TVer広告においては、1年ほど前には「広告主の認知」が課題として挙げられていたが、テレビなどと違ってどういった層が視聴しているかを分析できるためにユーザー属性に合ったターゲティング広告が可能なこと、“CM飛ばし”ができないこと、テレビよりも視聴に専念する傾向が強いことなどの優位性もあり、広告主からの認知も広がり、TVer広告は成長中だという。

 また先述のように、無料見逃し配信で圧倒的な支持を得た『silent』はFODの有料会員数の増加に貢献したし、見逃し配信での盛り上がりも影響して、世帯視聴率は初回6.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)から、最終話では9.3%と右肩上がりの有終の美を見せた。TVerがもたらす副次的効果は決して小さくないはずだ。

 『silent』の爆発的ヒットにより、TVerの成長もさらに加速している。2023年、TVerの存在感がますます増すのは間違いないだろう。