劇中ではとんとん拍子にキャンプ場開発が進むが、現地から縄文式土地が発掘されたことで、遺跡関連の施設にしようという意見がでて、キャンプ場開発は中止を余儀なくされ、挫折する。

 彼女らは、女子高生のうちは高額なキャンプ道具を揃えられないので、身の丈にあった範囲でキャンプを楽しむ。大人になれば収入も増えて遠くの場所にだっていけるだろう。今でも楽しいキャンプが、大人になればもっと楽しめるはずと思っていたが、大人になればなったで、大人ならではの問題が立ちはだかる。オタクだっていつかは文化祭前夜が終わることを知る日が来る。

 挫折を経験した彼女たちはまたひとつ成長し、大人の社会の問題に対する回答を見つけ出す。今まではキャンプを楽しむだけだった彼女らは、みんなにキャンプを楽しむ場所を提供する側になるのだ。

 文化祭前夜からの鮮やかな脱出を謡った『映画 ゆるキャン△』は新しい時代のオタク作品のバイブルだ。