ジェームズ・キャメロン監督の『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』が世界中でヒットする中、唯一の例外が日本。日本の興行ランキングトップは『THE FIRST SLAM DUNK』(2022年12月末の時点)だ。トップを争うのが新海誠監督の『すずめの戸締り』で興行収入100億を突破し、勢いが衰えない。『アバター~』は「日本以外全部一位」という状況。まるで『日本以外全部沈没』(筒井康隆・著)みたい。“世界のキャメロンも形無し”といった事態になっている。

 上位2つがアニメーション作品というのも象徴的だろう。

 2022年は『劇場版 呪術廻線0』が138億円、『ONE PIECE FILM RED』が186.7億円(暫定)と100億円越えのアニメ映画が4つも公開されたのだ。2022年公開映画の総興行収入はコロナ前の水準にもどりつつあるという状況だが、邦画アニメの興行収入は前年度の2倍に達しており、邦画アニメが市場を牽引しているといっても過言ではない。

 そこで今回は2022年に公開された邦画アニメの中で他にも優れた作品、見所のある作品を3本ご紹介します。