そしてもちろん、宇多田ヒカルの作品が偉大である理由は、過去作が表す「独特な情緒や哀愁」、遠い日を想うノスタルジアだけではない。アメリカの音楽メディア・ピッチフォークが発表した2022年のベストアルバム50枚・ベストシングル100枚には、宇多田の8thスタジオアルバム『BADモード』が31位、収録曲「Somewhere Near Marseilles」が10位にランクインするなど、最新作は英語圏の音楽的動向ともリンクし、世界中で高評価を得ている。
宇多田ヒカルの楽曲は、まさに現在進行形でアジアの“青春”を更新し続けているとも言えるだろう。