宇多田のデビューアルバム『First Love』(※楽曲「First Love」は同アルバムからのシングルカット)は、発売からわずか5カ月後の99年8月には737万枚の実売枚数を記録していた。うち35万枚は香港や台湾など日本以外の東アジア各国でリリースされたもので、宇多田のデビューは他国のリスナーにも衝撃を与えていたのだ。

 その後も長く愛され続けた同アルバムのセールスは、2013年までに全世界で991万枚に達しており、まさにJ-POPを代表する1枚となっている。

 ここに収録された「Automatic」がプレイされた瞬間、コーチェラのステージを生配信していたYouTubeチャンネルのチャット欄には世界各国からコメントが殺到し、多言語によってそれぞれの心情が表されていた光景が印象的だった。

 宇多田が「Automatic」、「First Love」を披露したのは、アジア系アーティストの作品を発信してきたアメリカのレーベル・88risingとコーチェラによるコラボステージ「88rising’s Head In The Clouds Forever」。そこには、ウォーレン・ヒュー(インドネシア)やMILLI(タイ)、2NE1、BIBI(韓国)、NIKI(インドネシア)、リッチ・ブライアン(インドネシア)など、世界で活躍するアジアのアーティストたちが集結した。