姉妹グループ・乃木坂46と同様に(記事参照)、日向坂46の2022年もまた“世代交代”の年だった。2期生の渡邉美穂が卒業、宮田愛萌が卒業発表をした一方、新メンバーとして4期生の12人が加入。日向坂46は全員選抜を基本としてきたが、4期生の加入によってそういった部分も変わっていきそうだ。

 本稿では、22年の印象的な出来事を振り返りつつ、23年の展望について触れていきたい。

小坂菜緒の復帰と、初東京ドーム公演の成功

 まず、日向坂46にとって印象的だったのは、21年6月から活動を休止していたエース・小坂菜緒が3月に復帰したことだ。小坂が休養を発表してから、冠ラジオ番組『星のドラゴンクエスト presents 日向坂46 小坂菜緒の「小坂なラジオ」』(TOKYO FM)をはじめ、『小坂菜緒1st写真集「君は誰?」発売記念SHOWROOM』などさまざまなイベントに代打メンバーが出演するなど、仲間を思いやる日向坂46メンバーらしいフォローでこれまで乗り越えてきたが、やはり小坂の復帰がグループにもたらすものは大きい。

 7thシングル「僕なんか」では“なおみく”の愛称で親しまれ、プライベートでも仲が良い金村美玖がセンターに立ち、小坂が不在のなかグループを牽引。しかし、金村は小坂について「凄く心強い人」と信頼の言葉を寄せていたように、彼女の不在はグループにぽっかりと大きな穴が空いたようだった。とはいえ、そんな状況のなかでもみんなで団結して困難を明るく乗り越えていくのが日向坂46らしさだ。それを感じたのが、日向坂46が夢にまで見た初東京ドーム公演での一連のパフォーマンスだった。

 3月4日に更新された小坂の公式ブログでは「体調の方は万全の状態と言い切れない」と綴っていたこともあり、同月に東京ドームで開催される『日向坂46「3周年記念MEMORIAL LIVE ~3回目のひな誕祭~」』へは出演しないものだと見込まれていた。しかし、全ての楽曲に参加とはいかないものの、2日間の公演に参加し、元気な姿を見せてくれたのだ。

 当初は22人全員での開催となる予定だった同公演だが、直前に濱岸ひよりが新型コロナウイルスに感染してしまう。度重なる東京ドーム公演の延期に加えて、またもや日向坂46には困難が待ち受けていたが、メンバーが更新したブログからは濱岸への温かい言葉が送られ、ステージには立っていなくとも22人の心のつながりを感じさせるパフォーマンスを披露してくれた。同ライブからはけやき坂46から脈々と受け継がれる歴史の集大成と、未来への希望を感じられた。そして、改めて小坂こそが日向坂46のセンターであることを再確認させられた「僕なんか」のパフォーマンスは感極まるものがあった。