今年でデビュー10周年という節目を迎えた乃木坂46。この1年をざっと見回してみても、枚挙にいとまがないほどに多くのトピックスがあった。
ここでは、乃木坂46の1年を総括的に振り返りつつ、それぞれのトピックスについてそれがグループにどのような影響をもたらしたのかを述べていきたい。
5期生メンバーお披露目の衝撃と「Actually…」をめぐる騒動
2021年は生田絵梨花や高山一実、大園桃子らかつてないほどに多くのメンバーが卒業した年だった。また5期生の募集が始まったこともあり、この時期には大々的に“世代交代“が叫ばれるようにもなった。先人たちの例に漏れず、乃木坂46はグループとしての新陳代謝に成功するのか、という岐路に立たされたのだ。
なかでも生田というグループを背負う立場にあったメンバーの卒業は、時代の移り変わりを強く感じさせた。しかし、同時に『真夏の全国ツアー2021 FINAL!』における久保史緒里や林瑠奈ら後輩メンバーたちのパフォーマンスから感じられたのは、先輩の意志を引き継いでいくという覚悟。すでに彼女たちの未来は明るく思えた。
そして22年。やはり今年の大きなトピックスに挙げられるのは、5期生の加入だろう。2月1日にYouTubeにて11人のメンバーが公開されるやいなや、各方面で注目を浴びることになる。それは、単に新メンバーが加入するというニュース性にはとどまらなかった。トップバッターでお披露目された井上和を筆頭に、その洗練されたビジュアルで話題を席巻。アイドルの新メンバーには初々しさがあるものだが、彼女たちはすでに“完成”されていたのである。
5期生たちは、同月のネット配信番組『乃木坂46時間TV』内で放送された「5期生 お見立て会」にも、これまでの先輩たちの姿からは想像できないほど、堂々たる態度で臨んでいた。3期生であれば大園の涙が思い出されるが、初めてファンの前に立つステージでは緊張するのが当たり前。しかし、5期生はそれぞれの特技を堂々と披露し、さらには楽曲のパフォーマンスも自信に満ち溢れて披露していたように映った。
キャプテンの秋元真夏は『秋元真夏(乃木坂46) 卒業アルバムに1人はいそうな人を探すラジオ サンデー』(文化放送ほか)にて、5期生の印象を「肝が据わってる感じがした」と語っている。当の本人たちは“緊張”という言葉を口にしているが、秋元はすでに素人離れした存在感を彼女たちから感じ取っていたのだろう。