ここ数年大ブームになっている「マインドフルネス」ですが、マインドフルネスって結局、瞑想とどう違うの?呼吸法ってこと? といまいちピンときていない人が多いようです。
ここでは誰にでも簡単にわかるマインドフルネスの紹介、そして効果や初心者向けの簡単な実践方法についてご紹介。
研修にマインドフルネス?効果は?
TVや雑誌などのメディアでもここ数年頻繁に取り上げられている「マインドフルネス」。
グーグル社やアップル社、日本でもヤフーやメルカリといったトップ企業が、マインドフルネスを社員研修などに取り入れているというニュースもよく聞くのではないでしょうか。
- マインドフルネスの効果
- ストレスの低減
- 集中力の向上
- 疲労の回復
- 多幸感
- 不安の解消
マインドフルネスで得られる効果を聞いただけでも、試してみたくなりますよね。
その絶大な効果から研修に導入されたり、実践する人が増えてたりしているのです。
結局、マインドフルネスとは何?
- マインドフルネスとは?
- 心と頭が「一切の判断を持ち込まず、今・それ・これに集中している状態」を指す。
マインドフルネスを呼吸法や瞑想法の一つと理解している人も多いようですが、そういった手法ではありません。
瞑想の究極の目的である「無の境地」や「悟りの境地」とはちょっと違います。
ボ〜っとしている時や、例えば朝起きてからトイレに行って歯磨きをするまでの無意識で行動している状態でもありません。
今していることに極限まで集中して取り込むことがマインドフルネスの状態です。
マインドフルネスとは何かをわかりやすくする具体例
例えば今、あなたの右手を見てみてください。
「ちらっ」とみて「爪が伸びているな」で終わらせるのはなく、他のことは一切考えず、1分ほど、自分の右手をじっくり観察してみましょう。
どうですか?
例えば、薬指と人差し指の長さの違い、ささくれの様子、関節のしわの状態など、普段は気づかないような細かいことまで気がつくことができたのではないでしょうか。
また右手だけ暖かくなったり、汗ばんだ人もいるかもしれません。
しかし、そこで何に気がついたか、どのようなことが起こったかはまったく関係ありません。
自分の右手をじっとみて、そこに「善悪」「美醜」「過去未来」といった一切のジャッジがなく「ただ、ありのままの自分の右手を感じたこと」がマインドフルネスな状態なのです。
あなたの右手は良くも悪くもなく、美しくも醜くもなく、今ただ、そこに存在している。
それだけのことを感じることが、マインドフルネスなのです。
マインドフルネスの反対はマインドレス
「一切の判断を持ち込まず、今・それ・これに最大限に集中して取り組む」ことは、現代を生きる私たちにとって簡単にできることではありません。
私たちはすぐにマルチタスクになりがちだからです。
- マインドレスの例
- 仕事をしながら、ネットサーフィンする。
- メールをしながら、SNS投稿する。
- ご飯を食べながら、スマホチェックする。
- 音楽を聴きながら、漫画を読む。
とにかくすぐに同時に二つ以上のことをしようとしがちです。
スマホがいつもそばにあることで、ほとんどの人が一つのことにじっくり取り組めてないはずです。
その証拠にトイレにまで携帯を持っていく人が圧倒的に多いですよね。
「用を足す」という行為でさえ「ながら」で行なっているのです。
食事はどうでしょう?
昨日の夕食の内容をスラスラ思い出せるのであれば、その食事はマインドフルに楽しめていたのでしょう。
もし覚えていないのであれば、テレビを見ながら、あるいはスマホをいじりながら食べていたのではないでしょうか。
マインドレスのデメリット
マルチタスクような散漫な行動によって起こる弊害は「脳疲労」です。
本来、脳は同時に二つのことが処理できないように、作られているといいます。
2つのことを同時にやることは、やっているようで実はやれていない、あるいは相当な負荷を脳にかけているのです。
無意識にでもマルチタスクで何かを行うことで、脳はいつもオーバーヒート状態。
多くの現代人が抱えている不定愁訴がマインドレスによって生じると考えられているのです。
- マインドレスのデメリット
- なんだかイライラする。
- ケアレスミスが増える。
- 物忘れが多くなる。
- 不安になる。
- 睡眠障害が起こる。
- 自律神経が乱れる。
物事に取り組むときに「マインドフル(そのことだけにフォーカスして取り組む)」ではなく「マインドレス(マルチタスクで、どちらにも心がそこにない散漫な状態)」な状態だと、私たちの脳はパフォーマンスが低下し、心の幸福度も低下するようになっています。