どれだけやっても、仕事が終わらない……社会人になり、自分の仕事量に頭を悩ませる人は少なくありません。仕事が終わらない理由はさまざまですが、そもそも担当している仕事量が見合っていない可能性もあります。今回は、仕事が終わらなくて悩んでいる人に向けて、タスク管理を見直すポイントをお伝えします。

「仕事が終わらない」のは、そもそも仕事量が多すぎるから?

今日終わらせるはずの仕事を、明日に繰り越してしまった。アプリやスケジュール帳などタスク管理を工夫しても、仕事が完了しない。同僚はソツなく仕事をこなしているのに、自分はいつも未決書類に埋もれている……。

そんな悩みを抱えている人も多いでしょう。「仕事が遅い、だめな人間だ」と自分を責めてしまうこともあるかもしれません。

しかし、仕事が終わらない理由は、あなたの能力不足だけが原因とは限りません。そもそもの仕事量が多すぎる可能性も十分にあります。

仕事を詰め込み過ぎてしまう心理

仕事を詰め込み過ぎてしまう人は、総じて責任感が強い傾向があります。仕事を頼まれたとき、「断る」「手伝ってもらう」といった選択肢に目がいかず、すべて引き受けて自分一人で仕上げようとしてしまいます。その結果、業務量過多に陥ってしまうのです。

また、成長意欲が高い人もたくさんの仕事を引き受けがちです。「この仕事を引き受けたら、このスキルが身に付くかも」「憧れの上司と仕事をする機会だから、これを逃してはならない」といった理由で、どの仕事も魅力的に思えてしまうのです。

このように、仕事を詰め込み過ぎる人は、実は責任感や成長意欲に優れていると言えます。

しかしキャパオーバーしてしまっては、スキルを身に付けたり人脈を築いたりすることができません。1つひとつの仕事を完遂しなければ、責任感や成長意欲が空回りして、かえって不当な評価をされてしまう可能性もあります。

自分自身の長所を上手に生かせるよう、タスク管理をすることが大切です。

タスク管理を見直す2つのポイント

仕事の手順を細分化し、時間を見積もる

仕事を引き受けたら、まずはその仕事の内容を細分化しましょう。「新しい企画を5つ考える」という業務なら、たとえば次のように細分化できます。

例)

  1. 企画案を多めに出す
  2. 関連部署に内容をチェックしてもらう
  3. 企画を5つにしぼり、詳細な調査をして内容を掘り下げる
  4. 提案書としてまとめる このように仕事を細分化し、それぞれにかかる時間を見積もりましょう。実際に仕事を遂行する中で、想定した時間通りに進行したかをチェックすることも大切です。

    こうして、予想と検証を繰り返すうちに、仕事を依頼されたとき、その仕事にどのくらいの時間がかかるかを大体見積もれるようになります。そうすれば、ほかの仕事を依頼されたときにも、どれくらいでできそうか、今のスケジュールで引き受けられるかを判断する目安になるでしょう。

    「見えない仕事」を予定に組み込む

    なかなか仕事が終わらないなら、1日のうち何にどのくらいの時間を使っているか、一度チェックしてみるのも1つの手です。そうすると、メールチェック・上司への相談・資料の見直しなど、意外なところで時間がかかっていることに気づけるでしょう。

    仕事の予定を立てるときは、メールチェックや相談など「見えない仕事」も、時間の目処をつけて組み込んでおくことが大切です。