◆60代のファッションに必要なこと
――illallanさんのコーデ写真は60代と思えないほどいつもカッコよくてスタイリッシュなのですが、昔からファッションに興味があったのですか?
illallan:子どもの頃からお洋服は好きでした。母はオーダーメイドが好きな人で、私も母のデザインしたフリルのいっぱい付いた洋服を着せられていました。母は華やかな服装が好きだったのですが、私の趣味には合わなかったですね(笑)。
中学1年生くらいのときにVANのジュニアラインのVAN BOYS(ヴァンボーイズ)というアメリカントラディショナルなブランドに出会って、それが私の最初の「好きなお洋服のイメージ」になりました。その頃に買ったVAN BOYSのベージュのダッフルコートは40代まで着続けました。その頃からずっとトラディショナルなスタイルの好みは変わっていません。
――ユニクロやGUなどのプチプラアイテムを上手に取り入れていますね。
illallan:30代、40代のころは、「いいものは長く着れるから」と考えてハイブランドのものを買っていた時期がありました。でも、50代ころから「仕事をリタイヤしたら和服で生活しようかな」と考え始めて、それだと今買うお洋服はそう長く着れないな、と、旬のデザインのものはGUやユニクロで安くてシンプルなものを選ぶようになりました。アレンジがしやすく、個性の強いシャネルやエルメスなどのハイブランドと併せても違和感なく着れるところを気に入っています。
◆“高見え”は意識しない
――ユニクロやGUをコーデに取り入れるときはどんなことを意識していますか?
illallan:価格にこだわらず、私の「好きなテイスト」であるかどうかを判断基準にしています。だからアウターにハイブランドを持ってくることもあれば、逆にGUのアウターの中にシャネルのセーターを着ることもあります。「高見えするかどうか」も特に意識していません。
ただ一点だけ、若い層をターゲットにしたブランドのアイテムを私の年齢で着る場合、骨格が歪んでいたり筋肉が衰えたりと老化した体型だと、どうしても不相応な「違和感」が出てしまいます。
若い人向けのブランドや、自分が若い頃に購入したハイブランドアイテムを着こなすためには、若々しいスタイルを維持し続けることが絶対条件だと思っています。
<取材・文/都田ミツコ>
【都田ミツコ】
ライター、編集者。1982年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。主に子育て、教育、女性のキャリア、などをテーマに企業や専門家、著名人インタビューを行う。「日経xwoman」「女子SPA!」「東洋経済オンライン」などで執筆。