1億円達成に最も貢献した銘柄

ーー株で資産1億円を達成したのは今年(2017年の春)だと伺っています。達成に最も貢献した銘柄は何だったのでしょうか。 

2011年に買った、インフォマート<2492> で、後に株価10倍となる、「10バガー」を達成しています。

同社の株に注目したのは、ビジネスモデルが良く、配当が良くてPERが低かったからです。総会にも出席して社長の発言に注目すると、自信のほどが伝わってきました。

さらに調べると、システムの減価償却が終わることで、同社の利益が2倍になるのが、ほぼ確実であることがわかりました。そこで株を購入したところ、読み通り株価は上昇して株資産が一気に数千万円まで膨らみました。

ちょうど、その頃にアベノミクスがはじまり、デイトレードでも1000万円くらい稼げたので、その年の年間パフォーマンスはプラス580%となりました。

この経験で優良銘柄に集中的に投資して、その傍らで、デイトレードなど儲かるなら何でもやるという投資スタイルが強固になりました。

デイトレードで触る銘柄は、ボラティリティと前日の出来高で決めていました。前日ストップ高した、テーマ株とかが対象です。そんな感じで激しく売買していたら、証券会社からのレポートで、年間売買代金が120億円を超えていました。

ーー逆に、失敗談や印象深いトレードはありますか。

印象深い、というか九死に一生を得たのが、オリンパス<7733> でのトレードでした。

2011年ごろ、オリンパスの粉飾決算問題で同社の株価は乱高下していました。僕は大きく値を下げたところで、リバウンド狙いで買ったところ、さらに株価が下がりました。それでも我慢して、大底圏で信用買いでナンピン、買い増しました。幸い、株価も持ち直してきて、プラス圏に浮上しました。

ところが、僕は「引成(ひけなり)注文」(※その日の終値に対して成行注文を出す方法。株価が激しく動いていると、注文は無効となる)を出したのですが、引け前に突如暴落して持ち越しになってしまったのです。その日は金曜日だったので、土日の週末を持ち越しリスクを抱えることになりました。

もし何か悪い材料が出れば、株資金がゼロになるどころか、数百万円の借金が残ることになり、「最悪、株も芸人も引退」を覚悟していました。

それで、週末に出た材料が「東証がオリンパスの上場を維持する」というニュースで、そのおかげで週明けからは、3日間ストップ高が続きました。

結果、そのトレードで100万円くらい儲かりましたが、生きた心地がしませんでした。

ーー「億り人」になった後のトレードはどのような感じですか。

2017年の春に、株資産1億円を達成し、デイトレをやめることにしました。

やめたきっかけは奥さんからの指摘で、その日はデイトレでマイナス400万円やられた日だったこともあり、げっそりした顔で子供をあやしていたんですけど、奥さんから「そんな顔して娘を抱かないで。子供に悪影響がでるから」と注意されてハッとして。

それからは特に決算などイベントがあるとき以外はほとんどトレードしていません。