彼からの否定の言葉で目が覚めた

 すると加奈子さんの姿を見るなり表情が曇るSさん。

「『なんだよその不思議ちゃんみたいな髪型は…自分じゃオシャレのつもりなんだろうけど、男からしたら萎えるだけだから』と、ため息まじりに言われて、やっぱりねと思いました」

 彼は全く加奈子さんの気持ちなど無視で、自分好みのお人形に仕立て上げて、興奮したいだけだと気づいたそう。

「初めての恋で何も見えなくなっていましたが、ようやくSは私の事なんて大切に思っていないし、むしろ私の個性とか邪魔に思っているんだと分かって。ようやく目が覚めたんですよ」

 何も言わずに部屋から飛び出した加奈子さんは、電車に乗り込みLINEを開くと、Sさんをブロックしました。

「今まで不毛な時間を過ごして、もったいない事をしたなと後悔してます。奥さんやお子さんにも悪かったですし、これからはもっと自分をしっかり持って、私を丸ごと好きになってくれる男性を見つけたいと思います」

<文&イラスト/鈴木詩子> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】 鈴木詩子 漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop

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