◆「私はまだまだ」と気づいた瞬間
「当時のママ友がInstagramで告知をしてましたが、おまピクは自然派育児の中でいちばん抵抗ありましたね。私は妊娠出産するまで、身なりに気を配らなければならない職についていたこともあり、見栄えを意識するプライドが自然であることを上回ってしまい。屋外……しかも公共の場で子どもに排泄させるなんて、無理無理」
「すごく偏見である自覚はあるんですが」と、言いにくそうに続けるMさん。
「当然ながら、自然派ママといってもグラデーションがあります。オシャレは手放せず、人目が気になるうちはまだ沼の浅い場所にいるのかなと。おまピクに怖気づくようなうちは、自分もまだまだだなと思いました。おまピクに対する感情でそんなことに気づくのも、なかなかの体験ですね」
自然派ママの沼へ深くへもぐるには、DIY的なセンスに加え人目をはばからず信念を貫くガッツも必要なようだ。
<文・取材/山田ノジル>
【山田ノジル】
自然派、○○ヒーリング、マルチ商法、フェムケア、妊活、〇〇育児。だいたいそんな感じのキーワード周辺に漂う、科学的根拠のない謎物件をウォッチング中。長年女性向けの美容健康情報を取材し、そこへ潜む「トンデモ」の存在を実感。愛とツッコミ精神を交え、斬り込んでいる。2018年、当連載をベースにした著書『呪われ女子に、なっていませんか?』(KKベストセラーズ)を発売。twitter:@YamadaNojiru