離婚を心に決めたこともあった。夫に言い出したこともある。それでもなぜか今も結婚生活が続いている。
「いつ離婚してもいい」と思っていたら、“仮面夫婦状態”が定着してしまったらしい。
写真はイメージです(以下同じ)
「10年くらいはただの同居人なんですよ」
「結婚して……11年もたつんですね。今数えてびっくりしました。そのうち10年くらいはただの同居人なんですよ。これでいいのかなといつも思っていました。今もそう思っています」
そう言うのはミオリさん(40歳)だ。24歳のときに小中学生時代の同級生であるタクヤさんと再会、「だらだらと」4年間つきあい、双方の親のプレッシャーもあって29歳のとき、ようやく結婚した。
「彼も私も、別に結婚しなくてもいいよねという感じで、徒歩10分くらいのアパートに住んでいました。婚姻届を出そうと決めたのと、妊娠がわかったのが同じ時期で。ちょうどよかったねという感じで結婚したんです」
愛がなかったわけではない。むしろ一緒にいると気楽すぎて、わざわざ婚姻届を出す必要性を感じなかったのだ。もともと家も近くて親同士も仲がよかったから、再会してつきあいだしたことを親は喜んでいたという。
「タクヤの家は私たちが高校生のときにおとうさんの仕事の都合で越していきました。でもタクヤはそのまま親戚の家から高校に通い、大学は関西のほうに行ったんです。仲がよかった親同士も疎遠になって。タクヤが東京で就職して私とばったり会ったことを親に話したら、ものすごく喜んでいたと。
つきあうようになったとき、私も親に話したら『また縁ができたのね』とすぐに連絡をとりあっていました。親たちが早く結婚しろと騒ぎ出したのはつきあって2年ほどたったころでしたね」
【こちらの記事も読まれています】