セックスレス夫婦が主人公のドラマ『夫婦円満レシピ~交換しない?一晩だけ~』(テレビ東京系、水曜深夜0時30分~)。“夫婦交換”=スワッピングや、女性専用の性感エステについて描かれていることでも注目されています。

夫婦関係や不倫について著書多数で、スワッピングや女性向け風俗についての取材経験も豊富な亀山早苗さんが、話題のドラマを読み解きます(以下、亀山さんの寄稿)。

◆“夫婦交換”スワッピングは、ダンスみたいなもの

『夫婦円満レシピ~交換しない?一晩だけ~』の第9話は、志保(佐津川愛美)のママ友・安藤ちはる(柳ゆり菜)の物語の続きだった。智也(松本怜生)に恋したちはるは、智也が来るという夫婦交換の同士が集うナイトアクアリウムへ出かけていく。

ちはるは主宰者の窪塚と、智也は窪塚の妻・祥子と、お互いを見ながら刺激的なセックスをする。

「セックスは愛する人とするもの」という常識をぶっ飛ばす展開だ。祥子は「スワッピングはね、ダンスみたいなものなの」と言う。相性さえ合えば、いや、合わせることができれば、華麗で快適なダンスは踊れるものなのだ。

ちはるは智也を知るために、窪塚と関係をもつ。智也と同じ種類の人間であることを示すために。

ちはるは夫が浮気していることを知っている。だが、智也と人生を共にできるはずもないこともわかっている。だからこそ、智也を1週間300万円で買うのだ。「普通のデート」をしたことのない智也のために、そして「適当なデキ婚」をしてしまった自分の忘れ物を取りに行くために。

「年収が400万円を超えたから、扶養から抜ける」

ちはるは夫にそう宣言もする。自分と結婚生活を続けたいなら浮気はやめてほしい、そうでないなら子どもを連れて離婚する。ちはるは初めて、言いたいことを夫に言った。自分に経済力があれば、離婚もできると実感したのだろう。