◆「胃の不調」と「ストレス」の深い関係
胃の不調とストレスに関係があるのは、みなさんもご存知だと思います。しかし、具体的にどのような仕組みでストレスが胃に悪影響を及ぼすのでしょうか?そのメカニズムについて、消化器内科の権威である、兵庫医科大学名誉教授、特別招聘教授、川西市立総合医療センター総長の三輪洋人先生にうかがいました。
三輪先生によれば、ストレスと胃の深い関係には、自律神経が大きく関わっているそうで…。
「自律神経は環境の変化や将来への不安など、ストレスを感じた時に乱れやすいので、自律神経が乱れることにより胃の調子も悪くなります」
自律神経とは内臓の働きや体温の調整など、自分の意思とは関係なく24時間機能している神経で、交感神経と副交感神経からなります。交感神経は身体を活発に動かすときに働き、副交感神経は身体を休めるときに働きます。この2つの神経がバランスをとっているのですが、ストレスによる刺激でバランスが崩れてしまうことがあるのです。
「私たちは食べ物を食べて『消化しよう!』と意識し消化している訳ではありませんよね。意識の外で胃は機能している。つまり『自律神経』にコントロールされています」(三輪先生)
なるほど!コントロールをつかさどる自律神経が乱れた結果、胃がぐったり不調モードに…。ストレスによる胃の不調を改善するためには、まずは自律神経を整える必要があるのですね。
◆ストレスの原因は将来への不安
続いて、現在「ストレスを感じている」と回答した人に、その原因について聞いてみたところ、1番の原因が「将来・人生」の39.4%、続いて多かったのが「家計・経済的なこと」の33.1%、そして「仕事」の31.9%がTOP3という結果に。
前回の調査結果で1位だった「新型コロナ」は、今回は上位に入っていませんでした。以前は未知だった新型コロナウィルスの実態が徐々に見えてきて、ワクチンも普及し、コロナ自体への不安感は減ったものの、現在では新たに、急激な物価上昇などが生活や将来への不安材料になっているようです。