給料が上がらない昨今、20代から老後を不安視する声が上がっています。にもかかわらず、具体的にいくらもらえるのか、その金額を知らない人も大勢います。

では、1人で年金を20万円以上受け取るには、20代や30代でどれくらい稼げばよいのでしょうか。

月20万円の年金をもらうために必要な年収は?

厚生年金に加入している人が月20万円の年金をもらうには、年収がいくら必要なのでしょうか。

厚生労働省の「厚生年金保険・国民年金事業年報(2019年度)」によると、会社員だった方が受け取る老齢厚生年金の平均は月額およそ14万6,000円となっています。

月20万円の年金を受け取るためには、20歳から40年間厚生年金に加入する場合、その間の年収が800万円程度あれば年金額が月20万円前後になります。

夫婦2人で月20万円なら、もっとハードルは低くなります。上述の通り、平均的な老齢厚生年金額は月額14万6,000円なため、夫婦どちらも厚生年金加入者だった場合は簡単に上回ります。夫婦どちらかが自営業や専業主婦(主夫)であったとしても、支給される老齢基礎年金額が毎月5万4,000円を超えていれば達成できます。

20代で400万円以上の年収が必要?

1人で年金を20万円以上受け取るには、20代や30代でどれくらいの年収があればよいのでしょうか。

老齢厚生年金の中心となる「報酬比例部分」は「平均標準報酬額×5.481÷1000×加入期間の月数」で計算されます(2003年4月以降の加入分)。20~64歳の45年間働くと仮定して、老齢基礎年金も加味して計算すると、老後に20万円以上受け取るには生涯を通して平均的に55万円の月収があればよいと算出できます。ボーナス等を考慮せずに単純計算すれば、年収に直せば660万円、生涯年収は2億9,700万円です。

一般に収入は年齢に応じて上昇するため、「昇給率」を加味しましょう。経団連の調査によると、2022年の昇給率はおよそ2%となりました。

昇給率2%で計算すると、初年度におよそ413万円の年収があれば生涯年収2億9,700万円にほぼ届きます。このとき、20~29歳の年収は413~494万円、30~39歳の年収は503~602万円となります。