入社した会社が思っていたのと違う……試用期間中だけど退職したいと考える女性もいると思います。一方で試用期間で退職して問題はないのか不安にもなりますよね。今回は試用期間で退職するメリット・デメリット、退職の伝え方などを解説します。

試用期間とはなんだろう?

試用期間に退職したい◎伝え方を工夫して円満退社を目指そう
(画像=『Rolmy』より引用)

試用期間に退職できるかどうかやその方法を考える前に、そもそも試用期間とは何のか明確にしておきましょう。

試用期間はなんのためにある?

試用期間に退職したい◎伝え方を工夫して円満退社を目指そう
(画像=『Rolmy』より引用)

試用期間とは、企業などの「使用者」が人材を採用する際に、その人物が自分たちの会社や組織にあっているか、働く能力があるかどうかなどを、本採用前に確認する期間のことです。

正社員などの長期労働契約を結ぶと、企業は解雇するのが難しくなります。
そこで正社員などの期限がない労働契約を結ぶ前に、その人物の業務適正をみて雇用のミスマッチをなくすために試用期間を設けている会社が多いのです。

試用期間の法律的な意味

試用期間に退職したい◎伝え方を工夫して円満退社を目指そう
(画像=『Rolmy』より引用)

試用期間の限度については法律的な定めはありません。
ですが3か月~6か月の試用期間のところがほとんどです。

試用期間といっても、長期労働契約を前提に労働契約が締結している状態なので、企業側が正当な理由(経歴詐称や勤務態度の悪さ)を見せない限り解雇されることはありません。

企業が試用期間中に解雇したい場合は、通常の解雇と同じく30日前の予告、もしくは30日分の平均賃金の支払いが定められています。

※ただし雇用後14日以内であれば、企業は上記の責任を負わないという特例があります。

理不尽な解雇は違法ですが、試用期間終了後に正社員などの長期労働契約を結ばないということはありえます。

試用期間の労働契約は企業側に解除権が留保されている労働契約であり、試用期間後にスキル不足などを理由に本契約を見送るということが認められているからです。

つまり試用期間とは、むやみやたらと解雇されることはない(仮に理由なく解雇されたら違法)けれども、企業が業務適正がないと判断した場合、試用期間後に本契約が結ばれない可能性もある状態といえます。

試用期間中のお給料や福利厚生は?

試用期間に退職したい◎伝え方を工夫して円満退社を目指そう
(画像=『Rolmy』より引用)

試用期間はいわば企業が労働者の適正を見ている状態で、本採用ではありません。

ですが労働契約は結ばれていますから、企業は給料の支払いをし各種保険(健康保険や雇用保険、労働保険など)に加入させる義務があります。
※一部の短期雇用を除く

また試用期間中は本契約よりも給料が低く設定されていることがほとんどですが、それでも各都道府県の最低賃金は保証されています。

ただし法律に定められていない、各社が独自に設定している福利厚生については企業ごとに扱いがことなります。

企業が独自にもっている保養所の利用や、英会話スクールの補助費などは、本契約後に利用できるところがほとんどです。

試用期間であっても、企業は法律を遵守しなければならないということですね。

試用期間の延長はNG

試用期間に退職したい◎伝え方を工夫して円満退社を目指そう
(画像=『Rolmy』より引用)

試用期間は基本的な労働者の権利は守られているとはいえ、企業側に労働契約の解除権が留保されている状態ですから、企業側の立場の方が強いのはいうまでもありません。

そのため企業側都合による、一方的な試用期間の延長は法律上認められていません。
試用期間の延長が可能なのは、企業と労働者の双方が同意した場合のみです。

正社員が前提だったのに試用期間ばかり延長されていては安心して生活ができませんからね。