家族が認知症になった……頭ではわかっていても、これまでできていたのにという気持ちが先行してしまうため、どうしても理解しにくいものです。イライラしてキツイ言葉を投げかけてしまうことも……。また、家族の介護には金銭的な負荷ものしかかってきます。今回は、認知症の人に対するNG言葉と、介護費用で押さえておくべきポイントを解説します。

認知症の人にかけてはいけない言葉3選

元看護師が語る、認知症の人にかけてはいけない言葉は次の3つです。

物忘れを責める言葉

「認知症症状が進み、ご飯を食べたことも忘れてしまう80代の女性。ご飯を食べた直後でも四六時中食べてないと言い張ります。面会に来た家族が、『さっきご飯食べたでしょ!』と何度も伝えますが、話は平行線。最後には喧嘩になり、帰ってしまいます。患者さんはさっきまでいた家族が帰ってしまったことが理解できず、看護師に何度もどこに行ったのかと聞き、寂しそうにしていました」

不注意を責める言葉

「財布が盗まれた、なくなったと、ずっと物を探している70代男性。訪室するといつものように荷物をひっくり返して財布を探していました。そのタイミングで家族が来られ、『財布は金庫の中に入れているでしょ!何度も探して看護師さんを困らせないの!』と強く叱り、患者さんが落ち込んでしまいました。家族が帰られたあと、また『ない、ない』と探していましたが、どこか元気がありませんでした」

無理だと決めつけたり焦らせたりする言葉

「徘徊がひどい80代女性は、排尿後もすぐに尿意を訴え、1日に何十回もトイレへ。歩行が不安定のため、その都度ナースコール対応でトイレ介助が必要な状態ですが、ほかの業務が立て込んでいると毎回付き添うのは困難です。家族が付き添いを担当してくれた際、ずっと付き添わなくてはならず徐々にイライラが募った様子……。『さっきも行ったでしょ!』、『行ってもどうせ出ないんだから!』と喧嘩に発展。しかし、否定されるほど尿意を強く訴えるようになってしまいました」