日本人は、投資経験が少ないといわれています。2021年度の2人以上の世帯における貯蓄の種類の割合を見ると、有価証券の割合は約16%にとどまります。

給与が上がらない今、投資は「将来の備え」になる強い味方です。今回は現在の日本での投資の重要性や、投資のメリットとデメリットについて解説していきます。

日本は16%、米国は39.8%!投資に対する意識の違い

まずは、日本の家庭の「貯蓄」と「投資」の割合を見てみましょう。日本銀行によると、日本の金融資産構成では「現金・貯金」が54.3%と過半数を占め、「保険・年金・定型保証」が26.9%と続きます。一方、「株式等」を含む有価証券全体では16.0%にとどまりました。

対して米国では「現金・貯金」の割合が13.7%、欧州(ユーロ圏)では34.5%となっています。米国の「株式等」の割合は39.8%で、日本とは対照的です。

なぜ日本では投資が進まないのでしょうか。日本証券業協会の調査によると、証券投資が必要だと思わない人は、その理由として「損する可能性がある」「金融や投資に関する知識を持っていない」「ギャンブルのようなもの」「価格の変動に神経を使うのが嫌」と回答しています。

投資が「難しい」「なんとなく怖い」といったマイナスイメージは、認知度の低さや投資教育の少なさに起因しています。欧米では家庭や学校での投資教育が浸透しており、投資に対する意識も高いのでしょう。

投資は「備え」と考えよう

先進国では平均賃金が右肩上がりに伸びている一方、日本はこの20年でほとんど変動しておらず、最低水準となっています。将来的にはさらなる物価上昇や消費税の増税で、資産価値が下がることも考えられます。銀行口座の預貯金だけでは安心できないのではないでしょうか。

リスクがまったくないとはいえませんが、投資はギャンブルとは異なります。また利益や儲けだけが目的の「投機」でもありません。

投資は、将来に向けて計画的にお金を増やしていくことです。資産価値が減る懸念もある中、預金や年金だけに頼るのではなく、計画的に資産を増やしていくことは、将来的な不安を軽減する上でも重要になります。

投資の種類とそれぞれのメリットとは?

一口に投資といっても、リスクやリターン、投資期間など投資の種類はさまざまです。

たとえば、投資初心者や若者の間で利用が増えている積立投資は、小額から投資できます。小額投資は投資対象や地域、時間の分散ができ、リスクを抑えるメリットがあります。また一度銘柄を決めて設定すれば、初心者でも簡単に取り組めます。

企業が発行する株を購入する株式投資では、売買の差額で値上がり益が見込めます。また企業利益や持ち株数に応じて、配当金や株主優待を受けることができます。