結婚や老後など、将来のために貯蓄は多いに越したことはありません。若い人が貯蓄を続ける上で一つの目標となる金額が「1,000万円」です。この大台を目指す方も多いことでしょう。でも「1,000万円なんて、どうやったら貯められるの?」と不思議に思っている人も少なくないのでは?そこで今回は、20代で1,000万円を貯める方法について考えてみたいと思います。

20代の平均年収と平均貯蓄額は?

まずは20代の平均的な年収や貯蓄額を確認してみましょう。国税庁発表の「平成30年民間給与実態統計調査」では、給与所得者の平均年間給与(2018年分)は441万円となっており、20~24歳では267万円、25~29歳は370万円です。

さらに貯蓄額の平均は、金融広報中央委員会が行っている「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]」で知ることができます。それによると預金、各種保険商品、投資信託、株式など金融資産の保有額の平均値は645万円。20代の単身世帯主に限ってみると平均106万円です。

20代で1,000万円を貯蓄することはできるのか?

こうした現状を考慮に入れながら、20代で1,000万円を貯めるためのロードマップを考えてみます。まず、仮の条件として「22歳で年収300万円、現在の保有資産を100万円」と設定します。そうすると、1,000万円を達成するためには、8年間(96ヵ月)で900万円を貯める必要があります。

単純計算すると、月々約9万4,000円(900万円÷96ヵ月=93,750円)を積み立てていかなくてはなりません(ボーナスは考慮していません)。

年収300万円だと平均月収は25万円ですが、社会保険料や源泉徴収税などを差し引くと手取りは20万円前後でしょうか。このうち約半分(9.4万円)を貯蓄に回すのは、無理な金額ではありませんが、決して楽な数字でもありません。

そこで、貯める期間を長くして少し条件をゆるくしたシミュレーションをしてみます。

22歳から35歳まで(156ヵ月間)、月6万円の積み立てを続けるとすると、その間に貯まるのは936万円(156ヵ月×6万円=936万円)。現状の保有資産の100万円を加えれば、1,000万円に到達します。月給が上がっていくことも期待できれば、先ほどよりも現実的であると言えるでしょう。

どちらのケースにしても長期の取り組みが必要な計画です。そのため、目標額を達成するために大切なのは「貯蓄を早い時期に始めて、継続すること」の一言に尽きます。まだ独身の期間が比較的長いであろう20代は、特にお金を貯めやすい時期なので、できるだけ早いうちから始めるに越したことはないということです。

貯蓄のために有効なのは「支出を減らす」「収入を増やす」「資産を増やす」の3つ

着実に貯蓄をするための基本的な方法として、次の3つがあります。

  • 支出減
  • 収入増
  • 資産運用 この3つに取り組んで、「お金が貯まる体質」にしていくのです。支出減と収入増は文字通り、出るものを減らし、入ってくるものを増やせば当然お金は貯まります。企業に勤めて給与を得ている場合には、収入を増やすことは簡単ではありませんが、まずは支出を減らすことを考えましょう。

    3つ目の資産運用も重要です。経験がないと資産運用と聞いたとたんに身構えてしまいますが、そう難しく考える必要はありません。最近ではNISAやiDeCoなど、個人向けの資産運用の選択肢が広がっており、意外と簡単に資産運用を始められます。

    現在、円預金の金利はとても低く、ただ銀行に預けておくだけでは資産はほとんど増えません。その点、資産運用は元本割れのリスクはあるものの、長期的に運用すればそれだけ利益が出る可能性も大きくなります。

    「1,000万円を貯めたい」と本気で考えるのであれば、ぜひ資産運用にも取り組んでみましょう。