子どもが成長するにつれて、どんどん増える子育て費用。
教育費が掛かり過ぎて、とても二人目なんて望めない。
我が家は子どもが3人。どれくらい貯めれば大学まで進学させてあげられるのか?考えると不安になる…。
【子どもをもつこと自体が贅沢】と言われている今、子育て費用を十分に貯めるのは簡単ではないですよね。
しかし、子どもが幼い頃から計画的に資金を貯めれば、いたずらに不安がる必要はありません。
今回は、子ども一人を赤ちゃん~大学まで養育するのにかかる費用を大公開。目標金額を賢く貯める方法や、教育費節約に役立つ制度や方法もご紹介していきます。
- この記事の見どころ
- 奨学金を当てにし過ぎるのは危険
- 子どもを大学に通わせられる年収は○○万円!?
- 教育費が節約できる進学ルートは公立中高一貫!
「親ガチャ」という言葉が流行していますが、子育て費用について親がちゃんと知っておかないと、子どもの負担が増えることにもなりかねません。
是非この記事を参考に、未来に向けた資金計画を練り上げてみませんか?
1.子育て費用は教育費だけじゃない
子育て費用と聞くと、真っ先に思い浮かぶのは教育費。でも、子どもを育てるにはその他にも様々なお金が掛かります。
(1)子育て費用は【教育費+養育費】
子育て費用は【教育費+養育費】を合わせた総額です。
【教育費+養育費】
- 教育費…学校の授業料、習い事や塾の月謝など「教育」にかかるお金全般
- 養育費…子どもの食費、医療費、被服費など「衣食住」にかかるお金全般
子どもを育むには「衣食住」の担保はもちろん、「教育」を施すことが不可欠です。
食う・寝るだけでは子どもの健全な成長には不十分で、多くの親が豊かな教育機会を子どもに与えたいと考えています。
親は子を健全に育むために、十分な教育費と養育費を確保する必要があるのです。
(2)赤ちゃん~大学卒業までに総額3000万円が必要!?
では、現代日本では 【子育て費用=教育費+養育費】【子育て費用=教育費+養育費】の総額はいくらかかるのでしょうか?
実は、赤ちゃん~大学卒業までにかかる子育て費用は、なんと3,000万円と言われています。
はぁ…。高すぎる!子ども1人育てたら老後は質素な暮らしになりそう…。
なぜ、子育て費用の総額が3千万円にものぼるのか?その内訳を次で詳しくみていきましょう。
2.【年齢別】子育て費用はいくらかかる?赤ちゃん~大学卒業までの内訳
幼児~大学卒業までにかかる子育て費用を、年齢別に詳しくみていきましょう。
(1)未就園児
未就園児一人当たりの年間子育て費用額は、¥843,225です。
項目 | 金額 |
---|---|
衣類・服飾雑貨費 | ¥68,754 |
食費 | ¥166,387 |
生活用品費 | ¥149,425 |
保育費 | ¥62,790 |
子のための預貯金・保険 | ¥199,402 |
レジャー・旅行費 | ¥97,127 |
(医療費・学校外教育費・お祝い行事関係費) | ¥99,340 |
合計 | ¥843,225 |
「小さな赤ちゃんを育てるだけで、年間約80万円のお金が掛かるなんて!」と、ビックリした人も多いのでは?
オムツやミルクなどの生活用品費はもちろん、子どものための預貯金・保険の出費も目立ちます。
(2)幼稚園・保育園児
幼稚園・保育園児一人当たりの年間子育て費用額は、¥1,216,547です。
項目 | 金額 |
---|---|
衣類・服飾雑貨費 | ¥66,462 |
食費 | ¥224,627 |
生活用品費 | ¥92,522 |
保育費 | ¥379,407 |
子のための預貯金・保険 | ¥187,212 |
レジャー・旅行費 | ¥136,383 |
学校外活動費 | ¥43,179 |
(医療費・学校外教育費・お祝い行事関係費) | ¥153,217 |
合計 | ¥1,216,547 |
幼稚園・保育園児になると、赤ちゃんの頃に比べて「保育費」や「学校外活動費」が増大します。
事実、習い事を始める時期は【小学校入学までが6割以上】にのぼっており、多くの子が幼稚園・保育園の時点で習い事をしています。(株式会社イオレのインターネット調査より)
年間120万円以上のお金が、幼稚園・保育園に通っている年数分かかると考えると、恐ろしい金額になりますね。幼稚園・保育園児になると、赤ちゃんの頃に比べて「保育費」や「学校外活動費」が増大します。
事実、習い事を始める時期は【小学校入学までが6割以上】にのぼっており、多くの子が幼稚園・保育園の時点で習い事をしています。(株式会社イオレのインターネット調査より)
年間120万円以上のお金が、幼稚園・保育園に通っている年数分かかると考えると、恐ろしい金額になりますね。仮に就園期間が3年だとすると、合計360万円がかかる計算になります。。
(3)小学校
小学生一人当たりの年間子育て費用額は、¥1,153,541です。小学校6年間では690万円以上が掛かる計算になります。
項目 | 金額 |
---|---|
衣類・服飾雑貨費 | ¥68,970 |
食費 | ¥278,294 |
生活用品費 | ¥83,419 |
学校教育費 | ¥105,242 |
学校外教育費 | ¥106,089 |
学校外活動費 | ¥94,985 |
子のための預貯金・保険 | ¥163,037 |
レジャー・旅行費 | ¥167,044 |
その他(医療費・子ども携帯電話・おこづかい・お祝い行事関係費) | ¥86,461 |
合計 | ¥1,153,541 |
小学生になると、「学校外教育費」や「学校外活動費」が急に増えます。
学校教育費・学校外教育費・学校外活動費の年間総額は、実に年間子育て費用総額の1/4にものぼります。
小学生になると、塾や習い事の費用はもちろん、体験活動や地域活動、スポーツやレクリエーションなど、学力や教養を育むための費用が家計を圧迫しはじめます。
これにプラスして中学受験をする場合、小学校6年間の子育て費用は1千万円を超えても不思議ではありません。
(4)中学校
中学生一人当たりの年間子育て費用額は、¥1,555,567です。中学校3年間では460万円以上が掛かる計算になります。
項目 | 金額 |
---|---|
衣類・服飾雑貨費 | ¥76,507 |
食費 | ¥356,663 |
生活用品費 | ¥97,139 |
学校教育費 | ¥274,109 |
学校外教育費 | ¥248,556 |
学校外活動費 | ¥57,337 |
子のための預貯金・保険 | ¥179,910 |
レジャー・旅行費 | ¥146,710 |
その他(医療費・子ども携帯電話・おこづかい・お祝い行事関係費) | ¥118,636 |
合計 | ¥1,555,567 |
多くの人が想像するように、中学生時代は高校受験に向けて学校外教育費が増大します。塾に行く子も多いため、「学校外教育費」は年間約25万円がかかります。
また、食べ盛りのこの時期は食費もビックリするほどかかります。食費は、小学生時代より、年間約8万円も多くなっていることが分かりますね。
(5)高校
高校生の「養育費」のデータは残念ながら見つけることができませんでした。
そこで、中学生の養育費とさほど変わらないと仮定し、
【学生一人当たりの年間子育て費用額¥1,555,567−(学校教育費+学校外教育費+学校外活動費)=¥975,565】
高校生1人の年間養育費を、¥975,565と推測します。
つまり、高校3年間分の養育費は¥975,565×3年=¥2,926,695となり、 高校3年間でおよそ300万円の養育費がかかることが分かります。
そして、ここに「教育費」が加算されることを忘れてはいけません。
文部科学省「平成30年度子供の学習費調査」によると、高校3年間の学習費総額は、
- 公立高校:約140万円
- 私立高校:約290万円
となっており、私立高校は公立高校に比べ2倍以上の学費が必要なことが分かります。
もし私立高校に進学した場合、【高校3年分の養育費約300万円+私立高校学費約290万円=約600万円】もの金額が3年で吹っ飛ぶことになるのです。
(6)大学
そして、一番お金が掛かる大学4年間分の費用をみていきましょう。
- 国公立大学4年間の学費:約250万円
- 私立文系4年間の学費:約400万円
- 私立理系4年間の学費:約540万円
高校生までとはけた違いの学費が、家計を逼迫させることは明らかです。
しかも、大学4年間一人暮らし(下宿・アパート・その他)をした場合、さらに多くのお金がかかります。
独立行政法人日本学生支援機構「令和2年度学生生活調査結果」によると、食費・住居光熱費・保険衛生費・娯楽嗜好費・その他の日常費の総額は1年間で110万8,400円にものぼります。(※大学生の平均支出金額)
大学4年間1人暮らしをすると、生活費だけで440万円以上が掛かるのです。
ここで、生まれてから大学卒業までにかかる子育て費用の総額を整理してみると、
- 未就学児:約80万円
- 幼稚園または保育園3年間:約360万円
- 小学校6年間:約690万円
- 中学校3年間:約460万円
- 高校3年間(私立):約600万円
- 大学4年間(私立理系学費+一人暮らし生活費):980万円
合計約3,170万円
最初に申し上げた通り、オギャーと生まれて大学を卒業するまでに約3千万円掛かるのは間違いなさそうですね。
※未就園児~中学校までの子育て費用は、内閣府「インターネットによる子育て費用に関する調査(平成22年3月)」を元に執筆。
※上記の金額はあくまで目安です。【幼児教育・保育の無償化制度】や【私立高校授業料実質無償化】を利用した場合上記金額の限りではありません。