3.子どもが大学に通える親の年収目安
さて、3千万円もかかる子育て費用のうち、多くを占めているのが大学4年間の費用です。
約1千万(※私立理系学費+一人暮らし生活費の場合)もかかる大学4年間の費用を払うには、どれほどの世帯年収があれば安心なのでしょうか?
独立行政法人日本学生支援機構「令和2年度学生生活調査結果」によると、令和2年度の大学生のいる家庭の年間平均収入額は以下の通りです。
区分 | 年間平均収入額 |
---|---|
国立大学(昼間部) | 856万 |
公立大学(昼間部) | 725万 |
私立大学(昼間部) | 838万 |
「やっぱり、子どもを大学に通わせている親の世帯年収は高いんだな。」というのが、率直な感想ではないでしょうか?
現に、大学生の子を持つ親世代(40~50代)の平均世帯年収は、
- 40代の世帯年収平均:694万8千円
- 50代の世帯年収平均:756万円
となっており、大学生を持つ家庭の年間平均収入額の方が多いことが分かります。(参考:厚生労働省|2019年国民生活基礎調査)
さらに注目すべきは、【国立大学】より【私立大学】に通う親の年間平均収入額の方が低いということです。
国立大学の学費は私立に比べ圧倒的に安く、低年収世帯でも入学しやすいはずです。しかし、国立大学に合格する学力を養うには、塾や予備校に通うなど経済的に豊である必要性がうかがえます。
【塾に通えない➡学費の安い国立大学に合格できない➡仕方なく学費の高い私立大学に無理をして通う】というサイクルにはまると、結局お金が掛かる結果になってしまうのです。
やっぱり親の世帯年収が子どもの進路に少なからず影響するのか…。どうすればいいんだろう。
現状、今の日本では親の経済レベルで子どもが受けられる教育に差がでています。
親の学歴や経済力が子どもの進路に影響する現状を乗り越えるには、どうすればいいのでしょうか?
次章以降では、「子育て費用を賢く貯める方法」や「幼少期から心掛ける親の姿勢」についてお伝えします。
4.子育てに必要な金額を賢く貯める方法
それでは、教育費を賢く貯める方法をご紹介していきます。
(1)学資保険
将来の教育費の積み立てに特化した学資保険は、長期スパンで堅実に教育資金を確保できます。
学資保険には「貯蓄型」と「保障型」があり、双方に違ったメリットがあります。
- 学資保険の種類
- 貯蓄型:教育費の貯蓄に特化。一般的に支払った保険料より満期金が高くなる。
- 保障型:教育費の貯蓄に+αで死亡保障・医療保障などがついている。一般的に支払った保険料より満期金が低くなる。
うちの家庭にはどのタイプの学資保険がいいのかな?判断に迷うわ。
確かに、人生で保険に入る機会は限られており、どんなタイプの学資保険がいいのか迷ってしまいますよね。
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(2)定期預金や財形貯蓄制度
学資保険以外にも、教育費の貯蓄に役立つ制度があります。
一番オーソドックスなのは「定期預金」です。定期預金は毎月決まった額を銀行に預け、一定期間引き出すことができません。
また、会社の福利厚生の「財形貯蓄制度」もおすすめです。財形貯蓄制度は給料天引で積立るので、コツコツ貯められます。
「定期預金」と「財形貯蓄制度」の共通点は【使いたくてもすぐにお金を引き出せない】というところです。貯蓄が苦手で少し貯まるとすぐに使ってしまう…。という人に向いているでしょう。
(3)児童手当を確実に貯める
子どもが0歳~中学卒業までに受け取れる児童手当。これに一切手を付けず貯金すると、結構な金額になることをご存じでしょうか?
児童手当の金額は子どもの年齢や人数や世帯主の年収に左右されますが、0歳~中学卒業までの支給額は約200万円にもなります。
高校3年間(私立)の学費が約290万円ですから、中学卒業時点で200万円の教育費が確保できるのは非常に嬉しいことですよね。
しかし、2022年10月より児童手当の制度が変更になり、所得制限が1つ増えてしまいました。
これまで、所得が一定以上ある人でも「特例給付」として月額¥5,000が受け取れていましたが、今回の変更で一定以上の所得がある人は特例給付が受けられなくなってしまったのです。
特例給付の5千円を全額貯金すれば、中学卒業時点で約90万円が貯まっていましたが、今後は受け取れない家庭がでてきます。
新しい児童手当に関する情報は、内閣府公式ページをご覧ください。